憐れむ

2007-08-22
story

憐れむ

自分の性質くらい、ある程度は理解していた。どうしようもなく救いを求める人間なのだ。そして、救われない人間なのだ。私は。

そういう人間がいる。何が起こったわけでもないのに、まるで悲劇の舞台へ放り出されたように感じる人間がいる。私のことだった。

がむしゃらに手を伸ばす。誰もつかまないけれど。そこに意味はないけれど。狭く小さい仮定を夢見て、手を伸ばした。もしかしたら、もしかしたら、儚い期待はいつまでも心の奥でくすぶる。

だが、やはり誰もつかまない。そのまま力尽きて、腕を地面にぱたりと落とした。私は死んだ。涙を流さずに、心を痛めつけることなく生きたかっただけなのに。何も望めないまま私は逝った。

生きたかった。生きていたかった。痛かった。誰もが当然のように持っているものを、私は持つことができなかった。両腕は、しっかりと私の体にくっついているのに。

生きていたかった。だが殺されたかった。死にたくなかった。生きたかった。なのに殺されたかった。生きる理由が無くなっていた。勝手に私が捨てていたのだ。夢の中で。どかりと、眼前に置かれている死は甘く冷たかった。

まるで食後のデザートのように、私はそれを口にした。つらい。

私の体は人間のそれでは無くなっていた。棺にも入らず、野ざらし。私がそうしてくれと頼んだ。

かわいそう、かわいそうだ、かわいそうすぎる。そう言って私の亡骸の横で泣く人間がいた。私は彼らに最大の同情を捧げた。そして最低限の祈りを捧げた。きっと叶わない。

君たちも、結局のところ救いを求める救われない人間なのだ。