ワールド

2007-10-07
story

ワールド

君の幻想を止められない。よどみゆがんできえていく。君の暴走を止められない。

「きっと、正気を定義づける人の気が狂ってしまったんだ」

もしくは人ではなかった。正しさが無くなってしまった。世界が狂う。回っていたはずの歯車は鋭い悲鳴をあげて、崩れていった。それでも世界は変わらなかった。狂うことさえ運命のようにふるまった。狂うことが正しいようにふるまった。

退廃的な人間が生まれた。後ろばかりを振り向いて、暗い影ばかりを見つめる人間だ。すぐ横に光があるのに、まぶしすぎて、目をそらすのだ。最悪瞳を固く閉ざした。

それなのに、世界が暗いと叫んでいた。世界はそんな人間さえも享受していた。そうあれかしとうめくように。間違いなどないと言うように。

イデアを球体と例えるなら、我々は立体ですらないのだ。我々は図形ですらないのだ。似ても似つかぬ愚鈍なのだ。

君の幻想が止まらない。ああ、もうすぐ君は気が狂う。それを見たおれは、正気を保っていられるだろうか。正気と狂気の境界すら取り払われた世界で。畜生、全ては世界のせいだ。

ゆるく十字架をにぎった。道端に落ちていた。神をあがめることも奇跡を信じて祈ることもしなくなった人のものだろう。王様と呼ばれたあの人は最後まで人間として十字架の中で力尽きたのだろうか?それとも、

それとも、神の付属品としての役目を全うしたにすぎないのだろうか?