未来神話

2009-07-08
story

未来神話

さあさあはじまりの言葉は世界共通! 道化師のようなひとりぼっちの双子がそう言ってはしゃぐ姿は忌々しい。ぐるぐるとはしゃぎ回るとそのままどこかへ走り去った。 たった一人Specialと呼ばれた悪魔は現の隙間を縫うように、そうっとデウス・エクス・マキナに別れを告げた。その傍らには小さな相棒が寄り添っている。

例の楽団はいつも通りに生かし愛のおままごとを繰り返す。 無駄なことだ。無意味なことだ。 それに怒り狂った2つのAはその楽団に楽譜も配らず、敬愛すべき交響曲第5番を演奏させた。 その音楽を聞いて、深層の穴から這い出てきたのは目覚める人々だった。心地良い音色にふらふらと身体を揺らし、上機嫌そうにしている。

しかし、彼らは擬音語と月と愛情が何より誰より憎くて憎くてたまらないらしい。 きっとそれらは可能性の範囲ではあるものの、解放の仕方を知っているのだ。

人間の本能を馬鹿にするかのごとく翻弄する遺伝子はがむしゃらに暴れ、根拠も憶測も持たずに桜埋葬説を主張した後、「メッセージ終了!」と謎の言葉を発して消えた。

blunderはその事実をバベル以前から知っていたはずなのに、誰にも言おうとはしない。 そこから脳内活劇のち崩壊を予感した人々は八(はち)番目のあの子が書き遺した運命真理(8)を必死になって読み取った。

あらゆる嘘と真実に満ち溢れているそこからある歌姫と悲劇の関係さえも丁寧に丹念に調べ上げ、病に苦しむ少年の朝がもう二度と決して訪れないことを悟る。 それを隠してしまったクロニクル、君は夢想する夢を見るだろう。

アンビバレンスが突き進むことも知らずに、憐れむこともせずに、ただひたすらワールドからの逸脱を図る。 from Xからの手紙を読み、彼らの中の心理学者と囚人は茶番劇だと嘲笑した。

彼らはGO HOMEを呪詛のように繰り返し、ただひたすらに胎動の一瞬を待ち続ける。 つまり彼らの周囲をぐるりとオーディエンスが囲んでいて、カラフルな衣装と舞台を鑑賞しているのだ。

這い出た彼らの空砲そしてもう一つの寂しい生を面白可笑しく、その幕が降りるまで見続けているのだ。 緑色の、きれいなぎゃくぎゃくどんくが眺める瓦解した川、森、砂漠さえも、そんな舞台の中の一つに過ぎないのだ。

もうじき全部が終わる。目の前でカーテンが降りるのをただ黙って見ていればいい。その時になってようやく、自分の立ち位置に気付くのだ。スポットライトはそれ程熱くないので、演者でも観客でも恐らく支障はないだろう。

(終幕)