目覚める人々

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目覚める人々 夢が覚める瞬間の、何と悲しいことか!頭が冴えてくると同時に、あの甘美な記憶はうすれていき、出逢うことは決して叶わないのだ。一夜の冒険談は塵となり、刹那の感情は屑になる。 私たちは朝日に屈服しなくてはならない。あの時確かに感じた思いが無くなっていく苦しみは、悲しみは、どんな慟哭にも及ぶまい。 麻薬のようだ。私たちが夢を求めるということは。常習性…

深層の穴

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深層の穴 僕は深い深い暗闇の中にいます。誰も彼も行き届かないような、暗い暗い闇の中です。深海魚さえも、行く事の叶わないような。悪魔でさえも、行く事をはばかるような、そんな場所です。 幾千年も昔の光さえ届かない、この空間で僕は一人ぼっち。 影は僕の前にいる。僕は影に支配される。お前の進む道はこちらだと、指図されているのです。 つまり、僕の後方には大変まばゆい…