someday:3,サムディ狂博士の咆哮

someday

someday:3,サムディ狂博士の咆哮 パン屋の息子であるオットーは毎日毎日、診療所の庭を訪れた。余程、サムディと話がしたかったのだろう。時には絵本を持って、時には売れ残りのパンを持って。 どんな時も、オットーは良く笑った。話をする時も、聞く時も、帰る時も、オットーは笑顔を絶やさなかった。サムディが表情を見せることは一度としてなかったが、それでもオットー…

someday:2,サムディ狂博士の経過観察

someday

someday:2,サムディ狂博士の経過観察 馬車から静かに降り、白衣をひるがえして博士は周囲を見渡した。2メートル近い背丈に、細長い手足は何とも異形だ。浅黒い肌はこの近隣では見かけない人種であり、道行く人々は物珍しさも相まって、博士をチラチラと盗み見ている。 それに気付いていないかのように、サムディ博士はにたりと牙のような歯をちらつかせる。続いて、馬車か…

someday:1,サムディ狂博士の実験室

someday

someday:1,サムディ狂博士の実験室 2メートル以上の背丈、それに伴う細長い手足、浅黒い肌、ガリガリの身体、濁ったプールのような緑の瞳は細く、ぎざぎざした歯は真っ白な牙に見える。ぼさぼさの黒髪は艶のない猫のような毛並だった。白衣を着て、常にへらへらと笑っている。 墓場のすぐ近くに古城があり、そこがサムディ卿の実験場である。彼は爵位よりも学位に興味があ…